blog/2012-08-09
気候と人間
土御門神道本庁では、名越の祓いを八月朔日の日に斎行
致します。本来八朔祭は、旧暦で行われるため新暦では
九月中頃に当たります。ちょうどこの頃には早稲の米が
収穫され初穂を神に捧げ感謝するお祭りが八朔祭です。
話を戻しますと、神社では6月30日に名越の祓祭を斎
行するのが一般的となっています。これは、新暦の元旦
から1年のスタートとする考えからで、立春をスタート
と考えれば半期の区切りは八月朔日となります。
名越の祓いで今は一般的になった茅輪くぐりは、陰陽道
の行事が一般化したものです。身のケガレを茅の輪にと
ってもらい祓い清めます。人形祓いも同じような考えに
基づき行われます。所謂「身代わり」という祓いの方法
です。この文化は今も私たちの生活の中に息づいており
ます。
さて、私達の生活において季節はどのように作用してい
るのでしょうか、自然との関わり合いは人間性などにも
大きく関係してくるのです。例えば春凍えた日々から解
放され心浮き立つ季節です。身体も縮んだ身体が徐々に
膨らみ始めます。この季節にとれる野菜は体内に蓄えた
毒素を排出に導く要素を持ち合わせています。従って、
味覚的にも苦く、ともすれば吐き出したくなるものが多
いのです。夏は、陽気が強く身体は陰性を保つことを意
図します。甘味が夏の味覚で、水分が多くなります、体
温を下げることが目的です。冷たいものや麦などの食べ
物を身体が欲するのです。夏野菜の殆どが身体を冷やす
ものです。逆に発汗を促す香辛料が夏の食欲を助けてく
れます。
しかし、今は冷房が体内センサーが狂わせ、身体が求め
る食物が何かもわからなくなってしまいます。
だから熱射病などが急増するのです。
人間性も狭く息苦しい閉塞的なものになりがちで、いら
いらとしてしまいます自然の風が入ってくる部屋に一切
の冷房道具を使わず眠ることができれば、どんなに気持
良く、豊かでやさしい人間性に還れることができるでし
ょうか、一度試してみて下さい。自然力はこのようなと
ころから甦ってきます。